昨日は一人でディズニーランドに行って客の観察をしていました。という訳で、昨日書くはずだった「つらぽよアドベントカレンダー」を今日書きます。すいません。身の上話です。獣医学科行ったのに物理系に転学部して再度医学部(人間)を目指す話です。
皆が皆ペットが好きなわけじゃない
私が育った家では猫を飼っていたのですが、私は猫が大嫌いでした。
部屋はすぐ毛だらけになってパソコンのファンを破壊してくれます。
糞尿をところ構わずする1ので掃除に気が滅入るのはもちろん、糞をした先がお気入りの本の上で再度絶望。
トイレの置いてあるケージが食事する場所のすぐ隣にある(そこぐらいしか場所が無かった)ので、ずっと糞の匂いが充満する中で家族と楽しいお食事タイム。
去勢もしていない2ので頻繁に発情してしまい、そのときは金切り声に毎日毎日耐えないといけません。メス猫なのですが、私に擦り寄ってくるのも、私の雄性を自覚させるので嫌でした。
家族みたいに「にゃんこーww」とか言う人なら良いのでしょうが、私はそうではありません。私に会った人は私の頭皮が炎症を起こしてるのを知ってると思いますが、あれも猫を飼い始めて一ヶ月後くらいに始まりました。「尋常性乾癬」といって原因不明の皮膚病なのですが、私は原因はどうも猫なんじゃないかと、どうしたって考えます。猫を飼うまでは全く問題なかったので。
そんな嫌なことがあっても猫が好きな人は「そんなの猫なんだから仕方ないじゃん」「たかが猫で」という感じなので、友人知人ならともかく、家族、しかも私一人となると我慢するしかありません。
どんどんどんどん猫、いや、ペット全般に対する嫌悪感が醸成されていきました。13年くらいですかね、人生の半分以上です。
保健所で獣医師になったら猫を駆除できる
そのストレスが最大になってたのが去年の7月ごろで、ちょうど未踏がはじまって自宅でずっと開発していた時期でした。慣れない自宅での開発の上、さらに猫でのトラブルが続いていい感じに気が滅入る毎日。発散できないストレスは他の形で発散するしかないというのが教科書にも載ってる真理で、人生がそのいけにえになりました。
去年の7月は進学振り分け3の時期でもありました。実はさらにその前の年にも進学振り分けをしていて、その時には天文学科に内定してたのですが、必修単位の問題で進級できず内定取り消しになってしまい、仕方なしに二度目の進学振り分けでした。前の年は天文だったので、再度天文か、あるいは近い分野である地球惑星物理を選ぶつもりでした。受験した時も、物理と地学で入ったので…。
が、その時本当に猫の事で頭が一杯で、獣医学科に行って保健所で猫を駆除する仕事につくことで代償的に「飼い猫を殺そう」と思ってしまいました。実際、進学振り分けのフォームに獣医学科と書いたら大分精神的に落ち着いたのを覚えています。ずいぶんいい進路にその時は見えたのです。今猫に苦しまされてても6年経ったら保健所で思いっきり猫を駆除できるんだ、と。大分精神的には楽になりながら開発できました。それは、事実です。
というわけで、私は今度は獣医学科に行くことになりました。
生物はおもしろい、が、そんな人生でいいのか
獣医学科の講義には一応全部出たのですが、想像よりはおもしろかった。生物の身体の仕組みとか全然知りませんでしたし。実習も、解剖とか生体をいじるタイプなら結構楽しく、自分がおもってたよりは自分は手先が器用なんだという事もわかりました。生物は初心者だったのですが、それでも単位は一つ落とすだけで済みました。
しかし、卒業後の進路にはどれも魅力を感じられません。元々は保健所で猫を駆除しようかと思ってましたが、人生を盛大に棒に振るような進路でそれはどうなんだろうと冷静にもなってきました。っていうか、そもそも保健所は猫は駆除しません。捨てられたペットなら処理しますが、それも最近はできるだけしないように引き止めるらしいです4。製薬会社だと動物実験で薬の効果を確かめるような仕事があったりするのですが、毎日動物を扱うのかとと思うと…。いわゆる「町の獣医さん」も動物をずっと触ってると考えると気が狂いそうです。動物嫌いには辛い進路が多い。動物を活かす仕事よりは殺す仕事のほうが多いので、動物好きでも辛そうですが…。
そして医学部再受験へ…
そういうわけで、獣医学科から、当初行く予定だったうちの片方である地球惑星物理学科に転学部しました。本当は天文学科が一番良かったのですが、天文学科に行きたい人が多くて、競争が激しくて転学部させて貰えませんでした。。。すでに一留している上で転学部のペナルティでもう一年留年になるので、二留になりました。浪人もしてるので、ついに三年遅れになってしまいました。
この騒動でただでさえ悪かった家族関係も最悪になった(もともと私が我慢してたのだから、露呈しただけとも言える)事もあり、鬱病になってしまいました。獣医学科に居た時に一番おもしろかった話は脳に効く薬の話5だったのですが、期せずして自分の身体で実験することに…。実際飲んでみると、想像以上に精神状態が変わるので、結構驚けます。人間の脳はこんなにも簡単に操作できてしまうのか、と。
物理系は出ても就活がただでさえつらぽよな上3年遅れとなり、このままこのコースを行くのもつらぽよな気がしています。就活するならSEとかプログラマ、あるいはいっそ就活なんかせずにフリーランスや起業ですが、そもそも私はプログラミングを生涯の仕事にしたら幸せにはなれないタイプの人間な気がする(またその話はいたしましょう)ので、卒業したら医学部に入り直そうと今では考えています。ちなみに、獣医学科でも卒業後に人間の医学部に入り直す人は珍しくありません。
医学は確かに興味深く学べたので、動物の医学にしたのは失敗でしたが、人間なら進路も私にも魅力的な進路が多いので、なれると思ってます。医師という仕事は、他の業種みたいに「需要を作りだ」したりせずに、病気の治療や健康維持という確実にある需要に確実に答える仕事である、というのが一番魅力に感じている点です。
私の作っているソフトウェアも、実はそうなのです。さきゅばすを作ったのは、ネットが無くてニコ動を見られない友達が家や学校でもコメント付きの動画が見られるようにですし、ど〜なっつも、時間が戻れるようなプログラミング言語が無いとコンテンツを作るのが明らかにしんどいからです。単純な技術的興味から書くことももちろんたくさんありますが、基本的には困ったことを解決するためにプログラムを書いています。
もし仮に受かったらなのですが、ある程度人生経験は積んだつもりですし、以前から興味もあったので、精神科の医師になりたいです。メンタルヘルスの重要性は鬱病になったこともあってよくわかりました。。。他には産業医も良いですね。
まあでも、受かるかどうかはわからないよね。駄目だった時用に情報系大学院の準備などもしておくつもりです。
蛇足:動物が嫌いな人はペットをどう思っているか
この際なのでちょっと書いてみます。
私は動物が嫌いで、実習でラットやマウスを殺すことにも特に良心の呵責とかを感じない人間ですが、それでもペットという営みは嫌いです。生命をおもちゃにして人形ごっこしてるように思います。人間があの「かわいい姿(人口的な作り物っぽさと獣の嫌な部分の足し算の、どこが可愛いのか全然分からないけど)」を生み出すために無理して交配(端的に言えば近親相姦)した結果出てきた遺伝病で苦しむペットが多いのも、命を弄んでるように思います。その自覚が無いまま、「かわいいかわいい」で飼うのには私は嫌悪感を感じます。
ちなみに最近上野動物園に行ったら、小動物が軒並み常同行動(同じ場所に居続けるストレスによって同じ行動を只管しつづけるようになること)してたので、動物園という存在もどうなのかなぁと思うようになりました。