「ガチャ」でいいじゃん

もう分かんなくなっちゃったよ。

「いいね」の経済学で動くSNSとUGM。感想とキュレーションの循環参照。広告とマーケティングが支配する商業サイト。アイドルの焼き直しみたいなYoutuber。自前でコンテンツを用意してる検索エンジン。テレビの再放送みたいな番組を自前で作ってる元本屋・現なんでも屋。

…そして、無限のリコメンデーション。

わたしが1999年に、Googleの検索ボックスにキーワード入れて遊んでたころに夢みてた「集合知」とか、「インターネット」って、こういうものだったっけ?

うーん。でもちょっと待って。

そもそもGoogle、あるいはPageRankって、そこまで良いものだった?

美化された思い出に、過ぎないんじゃないの?

PageRankは「うまく動いてた気がする」

…ただしGoogleの中身について、誰も知らなかった時は。

つまり、Googleが登場した瞬間は、たしかにうまく動いていたような気がするのです。gooよりもGoogleがいい。なるほど、”gle”の部分が効いているんだね。そんなつまらんジョークを言っていたのは今でも覚えています。

しかし。

今思い返すと、「どう優れていたのか?」という質問に対して、具体的なエピソードで答えられないのも事実です。だから、「Googleが優れていたと思っていたのも、結局、『海外のなんか凄いテック企業、面接でヤバいこと聞くおもしろ会社』という幻影と神話に、化かされていただけでしょ?」といわれたら、言い返せない。

…そもそも「優れた検索結果」って何なんでしょう?

検索エンジンは、なぜ必要か?

そもそも論に立ち返りましょう。

検索エンジンは、なぜ生まれたのか。時計を巻き戻し、1999年へ戻るのです。

時は世紀末。「インターネット」というなんか新しいもんが出てきて。そこは「広大なネットの海」で、情報がたくさんあるけど玉石混交で、その中の有益な情報を見つけ出すぞ!というロマンに溢れておりました。

なるほど、有益な情報。…有益な情報って…何なんでしょう?

思い出して見ると、インターネットと図書館が対比されていたような気がします。「たくさん情報がある」という所からのすごく雑な類推ぐらいの意味でしかなかったのかなぁと今では思いますが。しかし、「図書館の代わり」を人々はなんとなく期待していたのは事実でしょう。

で、この「海」はあまりに膨大で、しかも本棚と違って、入り組んだグラフ構造になっていて、「ネットサーフィン」しているだけでは目的の情報(目的って何?)にたどり着けない。だから、検索エンジンってやつでなんとかするんだ!というのが、元々の「物語」でありました。

なぜ(山に登るのでなく)インターネットをするのか?

まぁ確かに、今日の天気や、今日行かないといけない場所や、ゴミの出し方、MySQLのマニュアルを調べるために数文字タイプすればいいのはすごい楽です。インターネットや検索エンジンは便利だなぁ。

しかし、それらを探すのに、PageRank…つまりページ同士の繋がりの情報はたぶん要らないんじゃないでしょうか。単に、転置インデックスとせいぜいTF-IDFとか使って中身だけを見ればわかるのでは。だって、namazuだって全然イケてるソフトウェアだったじゃないですか?

じゃあなんでTF-IDFとかだけではダメでPageRankみたいなアプローチが必要だと思われているのかといえば、…

それはたぶん、「SEO」があるからですよね。

SEO、体験の共有、共同幻想、目新しさ−
あるいは、テレビはなぜ代わり映えのしない濁流を映すのか?

Googleの結果はイケてたかどうかはともかく、イケてたと少なくとも私が思ってたのは事実です。そして、じゃあそこからどうなったかと思い出していくと、「SEO」が盛んになり、いたちごっこが始まりました。

「SEO」は、検索エンジンの結果の順位を、ページを作っている側が操作して「1位」になってやろうという行為です。

SEOがなんで行われるのかといえば。それは、みんな検索エンジンで読むページを探すから、ですよね。そこで目立って、人気のページになりたい。人気になるとなんで嬉しいのかといえば、サービスを使ってもらったり、読者になってもらって、もっと人気になって有名サイトになりたいから。

有名サイトであれば、その人気を、広告や影響力を通じてお金に変換できる。

そういう、「資本主義」の乾いた仕組みがあるからです。

だから、みんなが検索エンジンではなくSNSで情報を探したりするようになれば、SNSでバスる「フォトジェニック」とかのアプローチに変わる。スマホの「アプリ」をみんなが使い始めたら、スマホのランキングを操作しはじめる。それだけの話。

SEOも検索エンジンも、それ自体は、どうでもいいわけです。

そう。技術なんか、どうだっていいんです。「社会」で目立てりゃ、ウェブサイトでも、SNSでも、テレビでも、なんでもいい。

…というわけで、社会の話をしましょう。

この世はでっかいハンドスピナー

これは長くなるので今日は説明はしませんが、わたしの考えによると、社会1というのは大きな大きなみんなで回すハンドスピナー、あるいは盆踊りです。

みんなで一緒に同じことして、「いいね」と言い合ったり「ダメだ!」と断罪して喧嘩しあったり、そういうので一喜一憂してるとなんだか人生に「意味」がある気がしてきて、その「意味」に依存するのを「すがる」とか「大人になる」とか呼んでいる、と理解しています。(微妙にわたしの考えとは違いますが、「共同幻想」という言葉を当てた人もいます)

最近は「未知語」を検索する人が多くて、検索エンジンも未知語対策に重点を置いてるそうです。それも「社会は盆踊り」という標語の元ではすんなり理解できます。つまり、「社会の流行」です。盆踊りで皆と同じように踊ってないと「疎外感」を感じるように、同じ話題を追いかけたいのが人間、らしい。今あれが流行ってるらしい!って。何が流行っているかも、実はなんでもいい。フォトジェニックスイーツが流行ってるなら、その写真を上げて、いいねがもらいたい。流行ってる「猫の下着」の美少女イラストを描いて、いいねがもらいたい。流行ってるDeep Learningで研究して、いっぱい引用されたい。

ニュースと一緒ですよね。10年前の洪水の映像と、今日の洪水の映像、そんなに差はないけれど、今日というだけでなんとなく価値があって、世間話をするときのいいネタになる。そして、世間話ができると、人間は嬉しいらしい。

「夫 死んで欲しい」でサジェストされるのも似た話かもしれません。「共感」されたいのが人間、らしい。

で、人間ってのは社会性があって、偉いんだってさ。

無いと、病気なんだってさ。

ガチャ、あるいは「いいかげんインターネット」

わたしは、最終的にはインターネットっていうのは「己の心の中の世界を面白くしたりする」ためにあるんだ、となんとなく信じてたんだと思います。でも、どうやら、そうじゃなかったらしい。

でも。政治とか、ニュースとか、社交とか、人気とか承認とか、そういうのはもっともう、飽きてしまったのです。そういうのは、東大卒エリートで社会的地位のスペック競争に夢中な、インスタグラムに夢中な、「みんな」に任すわ…って感じ。心底うんざりしてるんです、もういいよ。

じゃあ、心の中に居場所を見出す「わたしたち」にはどんな物があったら面白いかな、と思って最近意識的にやってるのが「ガチャ」です。

検索エンジンなら、例えばあえてすでにしってるキーワードを入れて、なんか面白い結果が出ないかなと試して見たり。大半は失敗するのですが2、伝えやすい例としては、例えば「いいえ」って入れるとYahoo!が出てきて面白いとかですね。…伝わんないか。

あとは画像検索を使ったDeep Learning占いとか:

間違ってるような当たってるような
これ結果が一定しないんですよ。何で決まってんだろ。

散歩とかと似てるかもしれません。いつも見てる風景なのに、今日はこんな発見があった!こんな見方もできるのかって。

季節の歯車:人間がコントロールできないもの

「見せる側」からの例をあげます。

わたしは友達と「妖精⊸ロケット」というサイトをやっていて、絵や写真、文章などを展示(?)しているのですが、このサイトでは意図的に作品をランダムに並べ替えて表示しています。ただし、完全にランダムではなくて、写真も絵も「時間」が付いていることを利用して、一年のうちの季節に応じて円周上に並べています(これを、「季節の歯車」や「季節のしずく」と呼んでいます)

hexe.net: 妖精⊸ロケット

何が出るかはランダムですし、「キーワード検索」もできません。あえてね。でも、不思議かな、これで十分な気がしてくるのです。行き詰まった時に開いて10年前の紫陽花の写真を眺めると、色々考えが湧いてきたり。それもそれでいいじゃん、となんとなく思うのです。

「ガチャ」、つまり乱数での「ランキング」は絶対に「SEO」できないランキングであることも指摘しておきたいです。じゃんけんでランダムに出すのが絶対に相手が自分より優位に立てない「最強」の戦略なのと似てますかね。

 

みなさんは、どう思いますか。わたしは手探り状態です。

あなたはどうして、インターネットをしていますか。

あーそういえば。このブログのタイトル下に出てくる文章もガチャなんですよ。これはもう始めて12年といったところでしょうか。

  1. 例:政治、経済、サッカーチーム、学校、学会、宗教、町内会、恋愛、家族制度、SNS []
  2. 「ガチャ」ですから []

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