月が綺麗
現場の献身的な自己犠牲を前提に成り立ってきた世界は、 犠牲を排する「正常化」が難しい。
必ずしも「不当」な労働環境であった、というわけではない。 むしろ自発的な自己犠牲で成り立っていたのだろう。 お金・権利・義務・契約といった法律関係だけでない動機づけ。 医療においては人の命を救い、感謝されること。 アニメにおいては無生物に「魂」を与えること(アニメート)。 学術的・技術的な挑戦。 そうした現場の努力は基本的に純粋で善意であったとしても、そこから巨大な利益をくみ上げる構造ができ、 利益追求のつけがますます現場に押し付けられるようになれば、 だんだん機能しなくなる。
(とあるウェブサイト)