rails2.xの**_remoteをrails3.xに機械的に移植するには

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 「UFO大好き霊子さん」をRails2.x系から3.x系に移植するに当たってぶち当たった問題のひとつです。かなり汎用性のある内容と思われるので、今回こちらにメモしておきます。

 めんどくさい人は最後だけ見てね。

rails2系でのお手軽Ajax

 Rails2系では、こんなヘルパを書くことで簡単なAjax通信ができます。

<%= link_to_remote 'イイネ!', :url => {:controller => 'votes', :action => 'create', :moderate => 'yes', :post_id => @post.id}, :update => "post_voting_#{@post.id}" %>

 こうすることで、’イイネ!’というリンクが現れます。これをクリックすると、VotesコントローラのCreateアクションがpost_idとmoderate=yesというパラメータで呼ばれ、その結果が”post_voting_#{@post.id}”というIDを持つ要素のinnerHTMLに書きこまれます。殆どJavaScriptを意識すること無く書けるので、とても便利で楽でした。

rails3系では”:remote=>true”で出来ると言うものの…

 rails3系では「link_to_remote」が廃止され、代わりに「link_to」に:remote=>trueというオプションが加わりました。が、完全互換ではなく、:updateオプションはありません。

 rails3.x系で正攻法で今までと同じことをするには、ビューの元の部分を

<%= link_to 'イイネ!', {:controller => 'votes', :action => 'create', :moderate => 'yes', :post_id => @post.id}, :remote=>true %>

 と書き換え、さらにこの上でVotes#createがJavaScriptをrenderして返さなければなりません。たとえば、”view/votes/create.js.erb”を作って、

Element.update($("post_voting_<%= @post.id %>"),'投票ありがとう!');

 みたいな感じですね。正直めんどくさい。

移植のため、Prototype.jsだけで機械的になんとか移植するには!

 正直めんどくさいので、最小の手順でなんとかしましょう。Rails3系では、JavaScriptとHTML部分が完全に分離され、上記のlink_toで:remote=>trueをしても出力されたHTMLにはこのようにJavaScriptは一切含まれていません。こんな出力です:

<a href="/votes?moderate=true&amp;post_id=1" data-remote="true" rel="nofollow">イイネ!</a>

 ではどうやってJavaScriptで通信してるのかというと、rails.jsを見ればわかりますが、”data-remote”が指定されてる要素に対して”click”イベントハンドラを追加することで処理しています。こんな感じ:

document.on("click", "a[data-remote]", function(event, element) {
if (event.stopped) return;
handleRemote(element);
event.stop();
});

 で、Ajax通信がとりあえず終わったらajax:competeイベント、成功するとajax:successイベントが、失敗するとajax:failureイベントが投げられます。rails.jsのイカの部分でゲソ:

function handleRemote(element) {
(略)
new Ajax.Request(url, {
method: method,
parameters: params,
evalScripts: true,
onComplete:    function(request) { element.fire("ajax:complete", request); },
onSuccess:     function(request) { element.fire("ajax:success",  request); },
onFailure:     function(request) { element.fire("ajax:failure",  request); }
});
(略)
}

 じゃ、このイベントを活用すれば良いんじゃなイカ?というわけで、イベントを追加して結果を流しこめばおk。こんなのをapplication.jsにでも追加しましょう:

document.on("ajax:success", "a[data-remote]", function(event, element) {
alert(event.memo.responseText); //結果が出てくる
});

 あれ?結果を書きこむ先は?

 link_toでは任意の属性を出力される要素に追加することができるので、これを使いましょう。また、createはpostメソッドなので、それも指定します。

<%= link_to_remote 'イイネ!', {:controller => 'votes', :action => 'create', :moderate => 'yes', :post_id => @post.id}, :remote=>true, 'data-update'=>"post_voting_#{@post.id}", 'data-method'=>:post %>

 application.jsではこのようにして結果を書き込みます:

document.on("ajax:success", "a[data-update]", function(event, element) {
Element.update($(element.readAttribute('data-update')), event.memo.responseText);
});

 これで目的は達成されました。

手順まとめ

1:link_to_remoteは廃止されたので、link_toに書き換えて:remote=>trueを追加する。

 URLオプションの渡し方も微妙に変わってるので注意†1。:updateは’data-update’に変更し、アクションがpostの場合は’data-method’=>’post’も末尾に追加。

<%= link_to_remote 'イイネ!', :url => {:controller => 'votes', :action => 'create', :moderate => 'yes', :post_id => @post.id}, :update => "post_voting_#{@post.id}" %>

を、次のように変更します。

<%= link_to 'イイネ!', {:controller => 'votes', :action => 'create', :moderate => 'yes', :post_id => @post.id}, :remote=>true, 'data-update'=>"post_voting_#{@post.id}", 'data-method'=>:post %>

2:application.jsにこんな内容を追加する。

document.on("ajax:success", "a[data-update]", function(event, element) {
Element.update($(element.readAttribute('data-update')), event.memo.responseText);
});

以上です。Rails3のAjaxでHTMLを返してjQueryで処理する – とはえ領域を参考にしつつ、jQueryを使わない方法を模索しました。

  • †1: link_toが三つ引数を取るようになり、その二つ目がurlオプション

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